子どもを褒めるときに
「すごいね!」
「よくできたね!」
「えらいね!」
こんなフレーズを使って褒めたりしていませんか?
僕自身も結構使いがちな褒め方だったのですが、「モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方」(以下 ほめ方 叱り方)という本を読んだときに、実はそのほめ方は子どもの成長を邪魔してしまうかもと考えさせられました。
実は褒め方には3種類のほめ方があって、安易にほめると子どもの好奇心を止めてしまう可能性があるのです。
目次
ほめ方は大きく3つに分けられる
参照元:https://www.jccchicago.org/give-meaningful-praise/
「ほめる」ということは他者の成果やパフォーマンス、あるいは特性に対するポジティブな評価のこと
引用:モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方
日々生活する中で、子どもや夫婦、仕事関係でも「ほめる」ということをどちらかという感情から言葉を出すということが多いと思います。
ほめ方には、大きく分けて3つのほめ方があります。
おざなりほめ
「すごいね!」
「上手だね!」
何が良かったのかどうすごかったのか具体性のないほめ方のことを「おざなりほめ」と言います。
人中心ほめ
「可愛いね!」
「あたまいいね!」
「優しいね!」
その子の能力・性格・外見などの表面上の特徴を褒めることを「人中心ほめ」と言います。
プロセスほめ
「頑張ってやりきったね!」
「失敗したけれど、諦めなかったね!」
「いろんな方法を試したね!」
努力や過程、試行錯誤した手順を褒めることを「プロセスほめ」と言います。
“おざなりほめ”と”人中心ほめ”がダメな理由
参照元:https://www.bendbulletin.com
1番言ってしまいがちなほめ方が”おざなりほめ”と”人中心ほめ”だと思います!
だけど、”おざなりほめ”と”人中心ほめ”は子どもの可能性を伸ばすのを邪魔してしまう問題があります。
一見、ポジティブな言葉を投げかけることは良い事のようですが、この2つのほめ方にどんな問題があるか見ていきましょう。
・ほめられ依存症になる
・興味を失う
・チャレンジ精神を失う
・モチベーションが低下する
順番に問題を見ていきましょう!
ほめられ依存症になる
誰かに褒められることでしか自信を持てず、自分の価値を見いだせなくなります。
「すごいね!」
「上手だね!」
と褒められなかった時に、「自分はダメなんだ」と思い込んでしまうようになってしまいます。
大人でもそういう人って意外といますよね。
「誰かにほめてもらいたい」「認めてほしい」という承認要求が強くなって、誰かにほめてもらえないと自分の行動に不安を感じてしまうようになってしまいます。
興味を失う
「すごい!すごい!」
「上手だね!」
とほめられると。ほめられることに快感を覚え、「次はどうやったらほめらるかな?」という考えて行動をするようになっていきます。
「ほめられる行動をしようとしているんだから、それはそれで良いんじゃない?」って思う人もいるかもしれないですが、物事への興味からの行動ではなく、ほめらるための行動なると子どもは下のような考えになります。
自分が描いた絵を「上手だね!」ってほめてもらえなかった時、「ほめられないんなら、絵はもう描かなくていいや」と本来好きなるかもしれなかった絵を描くことへの興味を失ってしまいます。
チャレンジ精神が低下する
趣味や仕事でいろんな人にほめてもらった時に、「次、失敗したらどうしよう?」とプレッシャーを感じてしまった事はありませんか?
ほめるということは、他人からの評価です。
その評価が下がるのを恐れるのは、大人も子供も一緒です。
失敗して自分への評価を下げるのを恐れるのをあまりに新しいことにチャレンジする事を躊躇するようになっていきます。
「頭いいね!」というほめられ続けると、失敗したら「頭がいい」というイメージが崩れてしまうと恐れ、言い訳が多くなり、自分への評価を守ろうとします。
モチベーションが低下する
努力の有無に関わらず、「すごいね!」とほめられると、自己評価する必要がなります。
努力せずにほめられ続けた結果、「頑張らなくてもいいや」という考えるようになります。
努力することへの必要性を感じなくなってしまいます。
例えば、なんとなく描いた絵に「すごいね!上手だね!」と大げさにほめることで、子どもは「なんだ!この程度でいいんだ!」思い、「もっと絵を上手に描きたい」と言った向上心を持てなくなってしまいます。
成果ではなくプロセスをほめよう!
参照元:https://www.jccchicago.org/give-meaningful-praise/
子どもをほめるのに大切なポイントは”能力や性格ではなく、取り組んでいる過程での努力や挑戦している姿勢ややり方の工夫”です。
例えば、我が家の子どもが寝返りを成功した時に「すごいね!」「よくできたね!」とほめるのではなく、「失敗しても諦めずにいろんなやり方を試して成功できたね!」と努力してやり方を工夫している点をほめるようにしています。
わが家の子どもはまだ幼すぎて、なんのことやらかもしれませんが、、笑
失敗した時に「できなかったからいいや」と諦めるのではなく、「いろんな方法で試せば成功できるかもしれない」と頑張れるようになれるかと思います。
もっと具体的に褒めよう!
参照元:http://www.littleleaderzdaycare.com/
「すごいね!」とほめられるだけでは、自分の優れているところや努力が必要なところがわかりません。
例えば、上司に「いいね!」ってほめられるのと、「きみの資料は、一貫性があって、的確にまとめられているから読みやすかったよ!」とほめられた時に、どちらの方が自分の長所やスキルを向上するのに役立つでしょうか?
子供が絵を描いていたら、ただ「上手だね!」ってほめるよりも、「いろんな色が組み合わさって、綺麗だね!」と少し具体的に褒めてあげることで、自分の長所を気づけたり、そのことに対して、向上したいというモチベーションが自然と上がっていきます。
たくさん質問をしていこう
参照元:https://parenting.firstcry.com
ここで大切なのは、親が”どう感じたか””どう思ったか”はそれほど重要ではなく、子どもが”どう感じたか””どう思ったか”です。
「楽しかった?」とあまり漠然な質問をするとたくさんある出来事から情報が整理できずにうまく答えられないかもしれません。
「今日、友達と遊んで、何がいちばん楽しかった?」など、最上形容詞(いちばん、もっとも)を使うことで漠然な質問から具体的な質問に変化させる事ができます。
”はい””いいえ”で答えられる質問ではなく、会話のキャッチボールをできるような質問していきましょう!
最後に
いかがだったでしょうか?
よく使ってしまいがちなほめフレーズでも、ちょっと言葉を足してあげると受け止め方が全然変わりますよね。
つい口からでかかった言葉もちょっと止めて、うまくコントロールするだけで子どもの可能性に大きく影響を与えられるかもしれません。