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子どもが妖怪に夢中になる理由とは?
子どもが「妖怪」に興味を持つのは不思議ですよね。怖いはずの妖怪が、なぜか魅力的でワクワクする存在になっています。わが家でも娘が妖怪図鑑やアニメに夢中になり、その理由を一緒に考えてみました。
なんで子どもは妖怪が好きなんだろう?“怖い”の奥にあるもの
最近、うちの娘が妖怪にどハマりしています。
寝る前に「妖怪図鑑読んで〜!」とおねだりされたり、サブスクでゲゲゲの鬼太郎のアニメを見て、「指でっぽう~!」とパパに打ってきます。
正直、ちょっと不思議に思っていました。「なんでそんなに怖いものが好きなんだろう?」と。
しかも娘だけじゃなくて、保育園でもけっこう流行っているみたい。。
娘と一緒に妖怪図鑑を見たり、アニメを観たりするうちに妖怪の何が子供を夢中にさせるのか考えてみました。
子どもにとっての“妖怪”は、怖さじゃなくてワクワク
よく読んでいるのは『妖怪はっけんずかんプラス』(木下昌美/学研プラス)。
ページをめくるたびに、どこにどんな妖怪がいるのか、なぜその妖怪が生まれたのか、楽しいイラストとともに紹介されています。
大人からすると「こんなの怖くないのかな?」と思うような妖怪も、子どもは「この子かわいい!」「こんなの来たらビックリするね〜!」と笑いながら楽しんでいます。
妖怪は“ちょっと不気味だけど、ちょっとかわいげがあったり面白い存在”。絵本の中のキャラクターみたいな感覚なんですね。
妖怪の中には「大人の都合」で生まれたものも
一緒に図鑑を読んでいて、あることに気づきました。
「この妖怪って子どもが夜ふかししたり、いたずらしたりしないように作られたんじゃない?」
たとえば「夜更かししていると現れる妖怪」や、「悪口ばかり言ってると憑く妖怪」など、大人が子どもをしつけるために作ったような設定の妖怪がちらほら。
そう思うと、昔の人が“怖さ”を使って子どもにマナーや危険を教えようとしていたんだな…と感心してしまいます。
10時坊主という妖怪がいて、「早く寝ないと10時坊主がやってくるぞ~!」なんていうと「きゃ~!」なんて楽しそうな悲鳴を上げながら、寝ようと頑張ってくれます。
時には7時坊主や8時坊主にも活躍してもらっています。
そんな妖怪いるのかって?、、、こうやって妖怪の存在が増えていったのでしょう笑
ゲゲゲの鬼太郎は大人にも響くエピソードがある
娘が観ているのは『ゲゲゲの鬼太郎』の第6期(2018年〜2020年放送)。
鬼太郎には子どもの頃に親しんでいた方も多いと思いますが、第6期は思った以上に“深い”。
ただの妖怪バトルじゃなくて、現代社会の問題を妖怪を通じて描いていたり、人間のエゴや弱さが浮き彫りになっていたり。
とある回では、弱い立場の妖怪が人間の都合で追いやられる話があり、思わずウルっとしてしまいました。
子どもはストーリーの面白さやキャラクターのやりとりを楽しんでいて、大人はその奥にあるメッセージに気づく。“二重の味わい”があるシリーズです。
絵柄は現代風になっていて、猫娘なんて”プリキュアなのかい?”みたいな可愛らしい感じになっていて、妖怪”老害”は「あんなの鬼太郎じゃねやーい!」と叫ぶのですが、これが昔の鬼太郎を見て育ったパパも楽しんでみていました。
妖怪は「怖さを味方にする」練習相手かも
子どもにとって“怖い”という感情は、時に大きすぎて扱いきれないこともあります。
でも、妖怪というフィクションの存在を通して、「怖いけど大丈夫」という感覚を少しずつ身につけているのかもしれません。
「こわい〜!」と言いながらも、自分なりに向き合ってみたり、絵を描いてみたり、なりきって遊んでみたり。
「この妖怪来たらどうする?」「誰が助けてくれるかな?」と話すことで、怖さを共有して、安心につなげる時間にもなっています。
まとめ|今だけの“妖怪時間”を、一緒に楽しむ
もしかしたら、妖怪ブームは一過性のものかもしれません。来年にはもう別のキャラクターに夢中になっている可能性だってあります。
でも、今この瞬間に「妖怪ってさ…」と語り合える時間があること。それがなんだか愛おしく、かけがえのないものに感じています。
何より私自身も小さいころにゲゲゲの鬼太郎を見て、親に鬼太郎のおもちゃを買ってもらったりしていたので、今は親として鬼太郎を楽しむ子供を見ているのは感慨深いものがあります。
そして、子どもがいつかまた妖怪と出会ったとき、「あのとき図鑑読んだな」「一緒に鬼太郎見たな」と、少しでもあたたかい記憶がよみがえってくれたら——それだけで十分です。
妖怪って、やっぱり面白い。